タイトル

今から40数年前の、、、


昭和36年(1961年)、一軒の名曲喫茶が荻窪の北口に開店した。お店の名前はママ曰く、「小さな店で、だから”ミニヨン”ってしたんです。”ミニ”とトマ作曲のオペラの主人公”ミニヨン”をかけてね」。開店当時、ママのレコードコレクションは100枚ほどだったという。今ではこの北口ミニヨンを知る者は少なく、数少ない思い出話しを聞きつつ想像を巡らすばかりである。

それから10年あまりが過ぎ、、、

昭和46年(1971年)、店は現在の立地である南口のビルの2階に移転、この頃からママのレコードコレクションも知らず知らずの間に5000枚を越えて行く。レコード棚で仕切られた喫茶裏のスペースも、南口初期には音楽マニア向けの”私語禁止”鑑賞室として、現在主動しているオーディオシステムが配置され分化していた。この部屋はしばらくして、「ギャラリー人魚館」として営業を開始することになる。

そして時は流れ、、、

平成13年(2001年)、91歳で名物ママ(深沢千代子ママ)が引退。節目の年でもある同年7月、開店40年目(!)にして店をリニューアルオープンした。ママの意志を継ぎ再出発した名曲喫茶ミニヨンは、喫茶・コンサート・ギャラリー(「ギャラリーミニヨン」と改名)の三本柱で、レコードがまだ高価だった時代の文化を残すべく営業を続けている。

               

当時の外観

当時(移転前)の店の外観
昭和36年3月5日開店

ママ
当時(移転前)の店内と深沢ママ

               

長い歴史をもつ名曲喫茶ミニヨンの客層は広く、曲をリクエストして聴く往年・若年の音楽ファンのみならず、書斎代わりにしている人、なんだか面白い場所といって来る人など様々です。

近頃は落ち着いてくつろげる空間が少なくなってしまったことを鑑みて、ミニヨンでは個人のスペースを大切にした店作りをしています。お客様一人一人に、一時騒がしい浮世を離れクラシック音楽の流れる店内でのんびり過ごして頂くことを願って…。

加えて、皆様にとっての何かの出発点となれればと、ギャラリー、コンサートサロンとしてプロ・アマ問わず演奏・作品発表の場を提供しています。コンサートの歴史も長く29年間月1の演奏会を続けるカルテットがある一方で、最近では新しい企画も多く行われるようになりました。2001年8月に当公式サイトも開設し、展示・演奏会情報も気軽にお届けできるようになったので、さらに多くの方にミニヨンを再発見して頂きたいと願っています。


               

引退前の深澤千代子ママ。2005.4/14. 94歳で亡くなりました。
何時までもミニヨンを見守ってくれているようです。


現在のママ

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